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『マグノリア』について
2013-06-04 Tue 19:28
先日、『マグノリア』を観て、その素晴らしさを再確認したので、
思うことをつらつらと書いてみたいと思う。



あらすじーーーーーーーーーー
 「ブギーナイツ」のポール・トーマス・アンダーソン監督による感動の人間ドラマ。死期を迎えた大物プロデューサー、彼と確執のある息子、プロデューサーの妻とその看護人、ガンを宣告されたTV人気司会者、彼に恨みを持つ娘、娘に恋する警官、過去の栄光にすがる元天才少年など、LAに住むさまざまな人間たちの24時間を描く。群像劇のスタイルをとりながら、不可思議な糸でつながってゆく脚本は秀逸。トム・クルーズ出演。

ーーーーーーーーーーyahoo映画より



本作品の形式は群像劇と呼ばれるもので、多くの登場人物が描かれるわけだが、
群像劇は個々のエピソードを多重的に描く為、 ドラマも細片化しやすく、
映画全体の印象が散漫になりやすい。
散漫になりやすいなかでどれだけ作品としてまとめられるかが、
監督の腕前の見せ所でもあって、このP・T・アンダーソン監督は
見事にまとめ上げている。
撮影時若干29歳、おそるべき才能だ。

また、女性歌手エイミーマンの楽曲も素晴らしい。

(監督が脚本を書き、彼女が歌を作り、それを互いに見せ合い、
監督は脚本を書き上げられた。つまり、共同作業だった。)

本作品はロバート・アルトマンの『ショート・カッツ』と比較されることも多い。
実際、アンダーソン監督自身、『ショート・カッツ』の姉妹作品であると
明言していて、アルトマン監督に敬意を表していることは間違いない。
(印象的な長回しもあるしね。)
『ショート・カッツ』のストーリーが淡々と進むのに対し、
『マグノリア』は感情の起伏が激しく、いささかドラスティックだ。
これはどちらが良いとかいうことではなく、好みの問題だろう。
俺は後者に強く感銘を受けた。

(ショート・カッツ。この二作品はラストも似ている。)

『マグノリア』のラストでは非常に奇怪で不思議な現象が描かれる。
これはとてつもなく印象的だ。ネタバレを防ぐ為、詳細は書かないでおこう。
アルトマンが『ショート・カッツ』で、登場人物の生活のひずみを
大地震によって不穏に収束させた手法を踏襲してるのだろうが、
インパクトでいえば『マグノリア』に軍配が上がる。
一見突拍子もないことのように思えるが、
最初に紹介される3つのエピソード、8と2の数字、天気予報など
一応の伏線は用意されていて、聖書の出エジプト記に同様の記述があるという。
(監督はこのシーンをシンボリックに捉えるかどうか、観客に委ねると言っている。)

個人的には出エジプト記云々は瑣末なことだと切り捨てて良いと思っている。
博識な天才クイズ少年の

「こういうことだって、起こり得るんだ」

というセリフが全てを物語っているように思うからだ。
起きてしまったことは間違いないのだし、
それを受け止めて生きていくしかない。
誰しもが後悔や過去や悩み、人生の瑕疵というべきものがある。
それらが偶然やふとしたことで心が救われる瞬間がある。
それがデウス・エクス・マキナよろしく途方もないことだってある。
でも、あーいう事件は実際にあるのだそうだ。

まだまだ書きたいことはあるのだけど、わしゃもう疲れたよ。
だってこれ全部iPadで書いてるんだぜぇええ。
4、5日前に観たのでちょっと曖昧になっている所もあるかもしれん。

とにかく、本作品は3時間を超える長尺や、下品な言葉など、
抵抗を感じる人が多いのも頷けるが、それを超えた感動がある。
役者の演技、カメラワーク、音楽……すばらしか。

そして最後、エンドロールが始まる直前の「笑顔」
このショットは堪らない。なんやかんや書いたが、
この笑顔だけでこの映画が好きと言えるのであった。


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