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老婆は頑なに
2014-02-14 Fri 23:56
雪風吹き荒ぶ今日の午後。
風にも負けず、雪にも負けず、俺は家路を急いでいた。
赤信号を待っていると、小柄な老婆が話しかけてきた。

「滑りそうだからちょっと手をつながせてくださらんね」

好青年の俺はハイどうぞと老婆に手を差し伸べた。
信号は青になり、俺と老婆は手を繋いだままトボトボと横断歩道を渡った。
老婆はおしゃべりだった。
持病の事、住まいの事、息子夫婦の事、先の都知事選の事、
様々なことが老婆のしわくちゃの口から間断なく吐き出された。
好青年の俺は、へえ、とか、ははあ、とか何とか感じの良い相槌を打った。
横断歩道を渡り終え、スーパーの入り口まで案内すると、
ETのような容姿の老婆は
「どうもありがとう、これ、おれいね」
と言って、なんと一万円札を俺に握らせる。
好青年の俺は驚いて「こんな大金いらないです」と返そうとするも、
老婆は頑なに受け取らない。
この「貰って」「結構です」という問答が何度か続き、

……結局、貰っちゃったんだけど、
次の瞬間、あたりは強力な閃光に包まれて真っ白になり、
辺り一体がようやく見える頃には老婆はいなくなっていました。
神様だったのでしょうか。



※この記事にはフィクションの部分があります。


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